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戸川純/石井政之/雨宮処凛/大槻ケンヂ/中村うさぎ/手塚眞/今一生/信田さよ子/ホーキング青山/こわれ者メンバーの皆様との対談


by byoukidayo

ロクでもない若者はこわれ者の夢を見るか 第3回

こんにちは。
ご無沙汰しておりました、
下っ端スタッフ・ロクです。
あれよあれよという間に出版記念イベントも盛況のうちに終わり、
『病気だョ! 全員集合』の販促は正念場を迎えつつあるようで、
対岸の火事(失礼)ながら、小声で応援しております。
はてさて。
書けば書く程罵詈雑言で塗り固められてしまっていたため、
強制的に寝かせていた
「ロクでもない若者はこわれ者の夢を見るか」の第3回をお届けします。
ここに来て、やっと終わりが見えて参りました。
全5回というキリのいい連載で、皆様とお別れできそうです。
なのでもう暫しお付き合いいただければ幸いでございます。
それでは、開演致しましょうー☆




<前回までのあらすじ>
新宿に巣くう悪の根城・新宿ロフトプラスワンへ
潜入することに成功した資本主義の手先・ロク。
多量の脂汗をかきながらビールを喰らうその背中に、
洗脳しようとKKK(こわれ者の祭典広域布教計画)の影が迫る…!

(か、kaccoさん足スゴッ! ちょ、美脚!!)
 かぶりつき席は、いろんな意味で特等席だった。
年末だったこともあって、
摂食障害自慢のkaccoさんはサンタガールのお出で立ち。
ミニのスカートから伸びるバンビ系の足が、
羨ましいくらいに細く眩しかった。
女性は汚くなかったら男装も女装も許せる生き物だと言うけれど、
本当にそんな感じだった。まぁ、モロ男の人に見えたけどね。

一方、月乃さんは相変わらず季節感のないパジャマ。
今日はふたりで司会をするらしかった。
いきなり色物の先制パンチに、思わずよろめくロク。
しかも座席の都合上、
ほとんどずっとkaccoさんのおみ足が視界から消えず、
気になって仕方ない。性分なのか、ギリのラインのスカート丈で
一段高いところからフリフリされると、つい目が行ってしまうのだ。
言い訳みたいだが、しょうがないでしょう、若いもんで。

 それで、イベントのほうはというと、
ゲストのタダフジカさんのオシャレギターと
渋いワタルさんのサキソフォンに乗せてパジャマの人が
人様の家にう●こを送りつけてやる、
と絶叫して台無し(良い意味で)にしてみたり、
同級生に居たら密かに好きになりそうなタイプのアイコさんの、
心に染みる歌が聞けたり、
脳性麻痺ブラザーズのおもしろコントなど、盛りだくさんだった。

はじめ、クオリティに関してかなり懐疑的だったロクだが、
偉そうに言わせてもらえば、
マイナーイベントとして受け取ればまぁまぁだったと思う。
付き合いで見に行った
アングラ演劇(中央線沿線)とかよりは、退屈しなかった。
でも正直、来たからには楽しもうという貧乏性と同じくらい、
彼らが公表しているバックグラウンド的なものに対して抵抗があった。
そんなものを自慢して集客するのは反則だと思っていた。

それはなぜか。
少し話は飛ぶが、ロクの母は、少し変わった人物だった。
ただ、どこがどうか変わっているのかと聞かれると、説明が難しい。
例えば、未就学児童のロクに
わたしのからだよ!-いやなふれあいだいきらい-』をポンと与え、
「アナタに必要なものです。お読みなさい」
 と言ったり、
「日本国において義務教育というものは、
親が子どもに教育を受けさせる義務があるという意味なのだから、
アナタが行きたくないのなら、小学校なんて行かなくても良いのです。
中学校卒業程度レベルの勉強なら、私が教えます」
と言い切ったりする方だった。

まったくもってセンセーショナルな人である。
いや本当に、今更になって彼女の教育方針にビックリする。
そんなんだからこんな、自意識が無駄に高すぎる子どもになるんだ、
とは恐ろしくて口が裂けても言えないのだけれど。

さて。そんなロクが英才教育まっただ中なちびっ子時代、
母は週3日東久留米に住む
脳性麻痺の女性・K林さん(仮名)のところへ介護に行っていた。
そして、残りの2日を立川にある
重度の知的障害を持つ方々が勤める施設へ、
ボランティアとして行くことに使っていた。
この施設関係者とK林さんからかかってくる電話が、
正直ロクは嫌いだった。
旦那と喧嘩しては母に長々と愚痴りまくるK林さんをどうかと思っていたし、
施設からの電話は大抵なにかしらかの呼び出しで、
そうでなければ、その施設を辞めて精神病院に入院している人からの
「声が聞きたくて」という熱烈コールだったりしたからだ。

母が好きな仕事をし、好きなことをし、好きに生き、
思うように暮らすためには家族の理解と協力が必要で、
ロクは愛されたがりなのでグレることもできず、
ただ理解ある聞き分けのいい
精神的に自立した子どもになることに徹していた。
だから、あの頃彼らに感じていた嫌悪は、

(自分はこんなにも我慢をしているのに、
なんでこの人達はこんなに好き勝手なのか?)

という、少しの誤解を含む八つ当たりから来ていたのだと思う。
いま考えると、申し訳ないくらいK林さんも立川の人たちにも非はない。
もちろんロクは、いまも昔も自分ライフをエンジョイしすぎて
実子に対してそこそこ放置プレイをかます母を尊敬しているし、
その生き方を誇りに思っている。
人間的にも好意を持てる彼女が自分の母親で、
本当によかったと思う。
彼女は彼女の人生を、彼女自身のために生きている。
ニクいくらいにイイ女である。
彼女は過期待・過保護・過干渉とは無縁の人だった。
自慢の母親であることは確かだ。

第4回へ続く



はふぅ。
病気自慢のイベントレビューで母親自慢してますが、
この際そこは見逃して下さい。
自慢したいんです。スーパーウーマンなんです。
いつの間にか内面世界に引きずられている、
「臭い物にはフタ、しちゃうでしょ?」
とかいう残酷さを平気で見せるギルティな若者・ロク。
冷めた目で見据えるその舞台は魑魅魍魎のオンパレード!
一体全体この無知な若者の心にアツき血潮は通っているのか…!?

その答えは、次回更新にて☆
by byoukidayo | 2007-06-14 13:01